信州大学医学部歯科口腔外科レジデント勉強会

Copyright
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine


いわゆる有病者の歯科治療

30. 白内障について

2000.11.15 酒井 

1.白内障とは

原因の如何に関わらず、水晶体の混濁を白内障という。

2.白内障の症状

水晶体が濁る事より以下の様な症状が出る:
 霞んで見える、明るいところへ出るとまぶしくて見にくい、どんなに調整しても眼鏡があわない、ぼやけて二重三重に見える

3.白内障の原因

水晶体混濁マαクリスタリン蛋白の変性にともなう不溶性蛋白増加

4.分類

^老人性白内障(最も多く60歳代70%、70歳代90%、80歳代100%の人に白内障による視力低下あり)

_先天性白内障

`糖尿病に伴う白内障

a副甲状腺機能低下症に伴う白内障

b筋緊張性ジストロフィーに伴う白内障

c放射線、紫外線による白内障

d外傷性白内障

eアトピー性皮膚炎に伴う白内障

f栄養失調に伴う白内障

gステロイド剤、抗精神病薬の副作用

5.治療方法

 白内障が進行し水晶体が混濁した場合、薬剤のみでその混濁を除去することは不可能である。従って、白内障が進行した場合は、手術以外に視力を回復する方法はない。点眼薬や、内服薬は進行予防薬である。

【歯科治療に際しての注意点】

|高齢者が多く、全身管理を受けている場合が多いので基礎疾患の把握を必ず行う。

}術後はレンズを挿入されているので眼球を圧迫させない。(眼圧亢進の予防)

~投薬時は、基礎疾患に対して服用している薬剤に注意する。

 

<参考文献>

新臨床内科学         医学書院

病気を持った患者の歯科治療  長崎県保険医協会

http://www.asahi-net.or.jp/~pd2k-nim/sub1.htm#白内障とは


歯科口腔外科の勉強会・症例検討のページに戻る

Copyright

Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine